元介護士トレーナーの視点から生まれた、やさしいフィットネスの形

介護経験が、今のジムで思わぬ形で役立っている話

私はパーソナルトレーナーとして働いていますが、
その前は介護の仕事をしていました。

当時は「いつかこの経験が別の形で活きるかもしれない」
そんなぼんやりとした期待はありつつも、
まさか今のジムでこんなに役に立つとは思っていませんでした。

でも今では、介護を経験していて本当に良かったと感じています。


■ おむつ交換の相談から気づいた、介護の“重さ”と価値

ある日、お客様から
「実は…おむつ交換がつらくて」
と相談を受けました。

介護経験がある方なら分かると思いますが、
おむつ交換は“ただの作業”ではありません。

  • 便や尿の状態を観察する

  • 皮膚の様子を確認する

  • 骨や関節を守る体の動かし方をする

  • 無理のない姿勢で支える

  • 精神的にも寄り添う

これら全てが含まれています。

特に家族が介護するケースでは、
はじめて向き合う負担、抵抗感、罪悪感…。
気持ちの面でも体力面でも、とても大きな壁になります。

そこで私はご自宅に伺い、
実際の手順や負担を減らすコツをお伝えしました。
話し終えたあと、お客様の表情がふっと柔らかくなり、
「こんなに違うんですね…」と安心されたとき、
介護現場で学んだことの価値を改めて感じました。


■ 介護で鍛えられた“観察力”が、怪我を防ぐ力になる

介護では、相手の体を安全に扱うことが最優先です。
相手の体が傾いていたり、バランスが崩れていたりすると
すぐに怪我につながってしまいます。

そのため、自然と
「小さな身体の変化に気づく力」
が鍛えられました。

この力は、パーソナルトレーニングで驚くほど役立っています。

  • 肩が1センチ上がるだけで、どこに負担がかかっているか分かる

  • 動作のクセから、怪我のリスクを先に察知できる

  • 疲れやすいポイントや弱い部分を早く見抜ける

お客様から「よくそんな細かいところまで見えますね」と言われますが、
実はほとんど介護の名残なんです。


■ 伝わる言葉を選ぶ“介護仕込みの説明力”

介護現場では、相手が専門家ではありません。
だからこそ、言葉選びが非常に重要です。

「理解できたつもり」が一番危険。
伝わっていなければ、介護もトレーニングも事故につながります。

そのため、私は当時から

  • 誰にでも分かる言葉で説明する

  • 相手が理解したかどうかを確認する

  • 伝わらないときは別の角度から説明する

ことを徹底していました。

今、ジムで外部のトレーニングを見ると、
トレーナーが熱心に説明していても
“理解できている人とできていない人が分かれてしまう”
という場面をよく目にします。

トレーニングは、理解してこそ結果につながるもの。

だからこそ、私は介護で磨かれた
「伝わる言葉を選ぶ力」
を大切にしています。


■ 初心者でも安心して始められる、やさしいフィットネス

リバティ+リウムのお客様は、
ほとんどが筋トレ初心者からスタートされます。

  • 運動が苦手

  • 体力が不安

  • 怪我が怖い

  • どこを意識すればいいか分からない

そんな方でも無理なく一歩を踏み出せるのは、
介護で学んだ “その人に合わせたペース” を
そのまま指導に活かしているからです。

一人ひとりの身体の状態を見ながら、
負担の少ない動作から焦らず進める。
「できた!」を積み重ねることで、自然と前に進める。

このやさしい設計こそ、私の指導の特徴になっています。


■ 介護とフィットネスをつなぐことで見えてきたもの

介護経験を持つトレーナーは珍しいかもしれません。
しかし、だからこそ見える景色があります。

  • 体を守る動かし方

  • 心に寄り添う姿勢

  • 無理をしないペースづくり

  • 小さな変化に気づく力

  • 伝わる言葉選び

これらは、介護でもフィットネスでも共通する“人を大切にする技術”です。

私は、介護とフィットネスをつなぐことで、
人生をもっと動きやすくできると信じています。


■ おわりに

介護は、本当に大変です。
身体だけでなく、心も消耗します。
そして多くの人が、「これくらい自分で頑張らなきゃ」と
限界まで抱え込んでしまいます。

でも、本当は――
ひとりで頑張らなくていいんです。

おむつ交換の仕方でも、身体の支え方でも、
「これってどうすればいいの?」という小さな疑問でもかまいません。

誰かに話すだけで気持ちが軽くなることもありますし、
ちょっとしたコツを知るだけで負担がぐんと減ることもあります。

ジムだからといって、トレーニングの話だけでなくていいんです。
介護で悩んでいるときは、どうぞ気軽にご相談ください。

あなたの毎日に、少しでも“楽さ”を取り戻すお手伝いができたら嬉しいです。